和歌山の祖父母のこと
コロナになってからお盆に帰省していないし、帰省してももう和歌山の祖父母の家には帰らない。
スマートフォンに保存された祖父母の家の写真を代わりに見返していた。
祖母のお葬式の後に、従妹が撮って送ってくれた写真。
古いクーラー、二層式の洗濯機、おじいちゃんが作った5円玉の5重の塔、孫たちの誕生日のメモ書き。
エモい、というのは懐かしい、その当時の感情が浮かび上がるような気持ち。
年上のいとこたちに交じって、窓から外へ出入りして鬼ごっこをしたこと、
女の人ばっかり台所仕事をしていたこと、昔の家で床が冷たかったこと、
ぼっとん便器だったことなんかを思い出す。
おばあちゃんはよく、いちごのジャムを作ってくれて、それが好きだったこと、
おじいちゃんは、戦争帰りで、背筋が伸びていてちょっと怖かったこと、
自分は学歴がなくて苦労したから孫には東大に行って欲しい、そしたら100万円あげる、と毎年言っていたこと。
こういう記憶は薄れていくのか、既に薄れていっているのか。
そんなことを思ったりしたお盆のあと。