あやこ先生の赤いネイル
高校二年生になった時、あやこ先生が赴任してきた。
当時全盛期だった、えびちゃんを彷彿とさせる美しく可愛い人だった。
他にも女性の先生はいたけれど、あやこ先生だけ下の名前で呼ばれていた。
男子生徒も女子生徒も、他の先生も、あやこ先生と呼ぶときはちょっとウットリしていたように思う。
先生は、ふふふと笑う笑顔が可愛らしかった。
あまり自分から話すタイプではなく、人の話を笑顔で聞いているだけで、
みんなが嬉しくなっちゃうような人。
ウブな私は先生へ話しかける言葉も思いつかず、
遠くから綺麗な人だなあと見つめているだけだった。
ソツがなさすぎて近寄りがたいと思っていた。
文化祭の準備をしている時に、普段見えないあやこ先生のつま先がたまたま見えた。
とても綺麗な真っ赤色の爪だった。
私は目を奪われた。
余りにもソツがないあやこ先生の
生々しい部分に触れた気がした。
大人の女だと思った。
私は先生に「綺麗なネイル!」なんて声をかけられる性格じゃなくて、
1人でドキドキしていた。
社会人になって、CHANELの赤いネイルを買った。
これを塗れば大人の女になれると思った。
でも、私が塗る赤いネイルは子どものイタズラのよう。
はみ出してしまう。
今度、ネイルサロンで真っ赤に塗ってもらおうかしら。
そんなことを考えながら、爪を赤く塗りつぶす夏の終わりの夜。
友だちに嫌われていた話
5年来の付き合いの会社の同期の男の子に、私のことをずっと嫌いだったと告白されました。
腹黒いところ、計算高く人と付き合っているところ、人によって態度が変わるところ、気分屋なところ、他にも昔のことなので忘れたけれど、色々と嫌いなポイントがあったとのこと。
なので、出来るだけ私と距離を置いておくようにしていたそうです、全然気が付かなかった。
しかし、だんだんと、「もしかしたら、こいついい奴かもしれない」と気がついたそうです。
今は、私の腹黒さやコミュニケーション能力の高さ、行動力、友だちを大切にする所などを尊敬していると褒められました。
私はケラケラと笑いながら、私の悪口の羅列を聞いていました。私も嫌いな私の性格を図星で刺されたり、そこが嫌われるポイントになるんや、という意外なポイントがあったり。人からどう見られているかがよく分かり面白い。嫌われるだけ、よく観察されていたのだと思いました。
嫌いから回復出来て良かった。
今は人生や夢、失敗談や恋愛相談などお互いに出来る、貴重な友だちの一人になりました。
友だちは、嫌いになった人はずっと嫌いなことが多いそうです。その嫌いになった人の中で、また好きに変わった人が親友になっているそう。
そのレアケースに私も含まれるから、大事にしてくれるそうです。
嫌われておいて良かったぜ。
人に嫌われたくないな、と思いがちですが、
いざ嫌われていたことを知ってもノーダメージでした。
嫌われてるかも?と妄想を膨らませている時が一番しんどい。
長い期間のスパンで考えたら、また回復するかもしれないし、しないかもしれない。
どっちでも良いと思います。
人との付き合いって面白いと改めて思いました。
蚊とカニカマと蚊柱
「蚊にかまれましたか?」って聞いたら、「そういえば、大阪出身でしたっけ?」と返ってきて驚いた。
蚊にかまれるって全国区の言葉じゃないのね。
小さい頃は、蚊にかまれた跡のことを「カニカマ」と呼んでいた。
カニかまぼこの略じゃないよ。
カニカマを爪で潰して後をつけて、「メロンパン」とふざけるのは全国区のネタかな。
それから、水たまりの近くで小さな蚊の赤ちゃんが群れになっている一群のことを
「蚊柱(かばしら)」と呼んでいたけれど、あんまり友だちに通じなかった。
蚊にまつわるあれこれでした。
君たちが生まれる前から僕はお母さんと付き合ってるから任せとけ
屋久島に父、母、弟、私の4人で出かけてきました。
ガンガン行こうぜの私と弟と、ゆっくり散策したい父母とに分かれて現地では行動していました。
先に出かける父母を見送る際に、父に「お母さんと仲良く過ごしやー」と声をかけると、
「君たちが生まれる前からお母さんと付き合ってるから任せとけ」と返ってきました。
何もいえないよね。
仕事には勇気を使わない
仕事で勇気を使わないことにしました。
気力には限界があるのではないかと気づきました。
何かする度に気力を使っていたら疲れてしまう。
気力を使って発揮する勇気は大切な時にとっておいた方がいいのです。
勇気を無駄遣いしないと決めると、行動力があがります。
今までは、思い悩んでためてためてジャンプ!と行動していたのが、
アッサリ一歩を踏み出すのに変えるイメージです。
した方がいいかな、と思ったことは、サラッと行動に移す。
仕事が楽しくなってきます。