ヒマワリのスカート

好きなことのスケッチブックです。気の向くままに書いています。よかったら覗いていってね♡

お風呂の栓

家の近くに大きなメタセコイヤの木がある保育園があった。

 

私は違う幼稚園に通っていたけれど、その保育園に通う同い年のりゅーちゃんを水曜日にうちで預かっていた。

 

お母さんと一緒にりゅーちゃんを迎えに行って、晩ごはんを食べて、お風呂に入って、りゅーちゃんのお母さんのお迎えを待つ。

 

二人でお風呂に入ったあとに、りゅーちゃんがお風呂の栓を抜いた。

 

私は、「お父さんがこれからお風呂に入るから抜いちゃだめ!」とりゅーちゃんにきつく咎める口調で言った。

我が家は翌日の洗濯にお風呂の水を再利用していたから、自分でお風呂の栓を抜いたことがなく驚いた。

 

りゅーちゃんは、

「だって、ぼくにはお父さんがいないもん」

と言った。

 

私は小さくて母子家庭の存在もよく知らずに、お父さんがいないことに驚いた。

 

りゅーちゃんの顔をみて、なんか良くないことを言ってしまった感じと、お風呂の栓が抜けてしまった感じが重なって、

未だにお風呂の栓を抜くときにたまに思い出す。