がんばることに少し疲れた娘への母からの魔法「クレンズの魔法」
今週のお題「プレゼントしたい本」
田口ランディさんの「クレンズの魔法」
母から娘に伝えるしあわせの魔法。
それは窓も心もピカピカに磨くこと。
母から娘へのささやかで細やかなアドバイスがたくさん書かれてあります。
体裁はよくある数ページごとにタイトルがついた自己啓発書です。
他の本と違う所は、
母と娘の関係について母目線から書かれてあるところだと思います。
あなたが思い通りに生きられないのは、母があなたが思うとおりに幸せに生きて欲しいという気持ちに縛られているからかもしれません。
ということが書かれた部分にはハッとさせられました。
この本はお母さんにプレゼントしてもらいました。
お母さんはこの本を読んで涙が止まらなかったそうです。
わたしのお母さんは、母親(わたしにとってのおばあちゃん)からあまり共感してもらえずに育ったそうです。
お母さんは心配症で共感性の低い家族に囲まれて育ったことに対する愚痴をたまに言っていました。
うちのお父さんの家族は賑やかで仲が良くて、お父さんの家に初めて呼ばれた時に、家庭に笑いがあってビックリしたそうです。
わたしは、母が悩みながらもたくさん愛情をかけて育ててくれたので、そこまで感激はしませんでしたが、大好きな本です。
特に好きなのは2つの部分です。
ひとつは、クレンズの魔法を使うこと
娘たちよ、あなたたちは生まれもってのクレンズの才能があります。その小さな白い手で、ふきんのしわを伸ばし、お日さまの匂いのする洗濯物をたたむとき、それは、祈りの瞬間です。
身の回りをキレイに保つことで、心もピカピカになることが、魔法のような文章で綴られています。
毎日毎日、心が濁るようなことはたくさんあるけれど、一つ一つ磨いていけばいいんだ、と掃除欲があがります。
淋しさについて
「人はとても孤独で、自分の苦しみや悲しみをなかなか人とわかちあうことはできないけれど、長い年月かけて心に降り積もった思い出はしだいに心の大地に染み込んで、清らかな小さな泉となるのです。そうすると人は、その泉にひざまずき、内面からわき上がる命の水に手を浸すのです。泉は心の奥深くにあって、あなた1人しか行くことができないけれど、その冷たい水で手足を拭いながら、たった1人の世界で自分を癒すようになる。」
淋しさと向き合うことについて、冷たい泉のイメージで描かれているのがとても好きです。
清冽で潔くて背筋が伸びるような孤独。
1人暮らしが寂しくて、自分がイヤになる出来事もあって、
いたたまれなくなることが何回もあります。
誰かに構って欲しくてたまらなくなります。
ただ、孤独や寂しさも必要なんだと思っています。
そういう時に、ランディさんのこの文章を読むと
甘えあうのではなく、あぁ、そうやって、自分の中にある寂しさにそっと手を差し伸べればいいのだな、と静かに思うのです。
どういう人にプレゼントしたいか
前をむいてがんばってきたけれど、ちょっと疲れた人にプレゼントしたいです。
実際に一度友だちにプレゼントしたことがあって、尋常じゃなく喜んでくれました。元気がでたそうです。
絶版なのです。
母にプレゼントしてもらった本は友だちに渡してしまったので、再度中古本を買い求めました。