2017-04-11 桜の樹の下には死体 が埋まっていると言ったのは梶井基次郎で、 それを幼い私に伝えたのは、母。 幼い私はそれをそっくりそのまま信じた。 満開の桜の樹の一本一本の根本には死んだ人が埋められている。 毎年一斉に咲く花は、棺に入れられる弔いの花かもしれない。 そんな思いこみもあってか、桜の花は明るいだけじゃない怖さがある。 曇天の中に夢のように咲く桜を見て、美しさに理由をつけたくなる理由も分かると思った。 死んで桜の樹になれるとしたら。 梶井基次郎 桜の樹の下には ネットで読めるけど、紙のページをめくりたい。